イベントレポート:2017 ユーザーズミーティング(東京・関西)、関西技術講演会

2017.04.24 Update

2月に開催した主催イベントを一挙にご紹介!

イベントレポート:2017 ユーザーズミーティング(東京・関西)、関西技術講演会

主催イベントが目白押しだった2月。10日には東京でユーザーズミーティングを開催。続いて、24日には京都にてユーザーズミーティングと関西技術講演会を実施いたしました。
今回のイベントレポートは、同月に開催したイベントをまとめてお知らせします。


 

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ユーザーズミーティング
(東京) 

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関西 ユーザーズミーティング
(京都) 

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関西 技術講演会
(京都) 

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ユーザーズミーティング(東京)

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2月10日(金)三田NNホール

ユーザーズミーティング(東京)では、当社からの発表・お知らせや自由討論のほか、3名のユーザー様よりご発表をいただきました。

発表をご快諾いただきました、京都大学 Heidy Visbal 様、
日鉄住金テクノロジー株式会社 安達 丈晴 様、日本特殊陶業株式会社 菱田 智子 様に、厚く御礼申し上げます。

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ユーザー様 ご発表

「TOF-SIMSによる活物質/硫化物固体電解質界面の構造解析」

京都大学 Heidy Visbal様

京都大学大学院 工学研究科 Heidy Visbal 様

京都大学 平尾研究室にて、次世代リチウムイオン電池の研究開発に携わっていらっしゃる Heidy Visbal様からは、現在開発が進んでいる全固体電池への取り組みについてご発表いただきました。

リチウムイオン電池の活用範囲は、パソコンや携帯電話のみならず自動車分野への需要も増大しています。Heidy様のグループでは、固体電解質に硫化物の Li2S-P2S5 を用いて活物質の界面をDLCコーティングすることで、界面の反応を抑えることができると考え、様々な検証を重ねていらっしゃいます。今回の発表では、活物質の界面の状態をTOF-SIMSで分析した結果、DLCコーティングにより酸化変質生成物(PO3,SO3)が抑えられていることが報告されました。

発表の中で、TOF-SIMSは全固体電池における活物質/電解質界面の構造解析に新たな洞察を与えるとの力強いお言葉を頂戴しました。リチウムイオン電池開発の最先端の研究成果ということもあり、質疑も活発に交わされるなど、参加者の皆様においても、関心の高さが伺えるご発表であったと感じました。

今回、東京・京都の2会場でご発表くださいました Heidy様に改めて感謝申し上げます。
(注:レポートは、東京・京都分で共通とさせていただきます)

 

「高温・高圧水下における腐食生成物のその場分析および Cr添加の影響調査」

日鉄住金テクノロジー株式会社 安達 丈晴 様

日鉄住金テクノロジー株式会社 安達 丈晴 様

鉄鋼材料を中心に様々な技術課題に対する問題解決や最先端の研究開発の支援を行っている日鉄住金テクノロジー株式会社の安達様からは、油井管環境などに代表される高温・高圧の過酷な環境に使用される鉄鋼材を対象に炭酸ガス腐食環境で生じる腐食生成物と耐食性への影響をお話しいただきました。

4種類の Cr量および添加元素を変化させた鉄鋼材の CO2腐食について、ラマン分光(In-Situ)と AES, XPS(Ex-Situ)を用いてそれぞれの利点を活かした実験結果をご発表いただきました。上記の環境下での炭酸鉄生成に伴う腐食に対し、Cr添加における炭酸鉄生成の抑制を分かりやすくご説明いただきました。

また、ご講演内での当社装置への愛着を感じるお話や、2名のエンジニアとの印象深いエピソードなど、スタッフ一同大変嬉しく思いながら拝聴いたしました。

 

「真空破断によるX線光電子分光におけるバルク敏感性の改善」

日本特殊陶業株式会社 菱田 智子 様

日本特殊陶業株式会社 菱田 智子 様

日本特殊陶業株式会社の菱田様からは、実験室の光電子分光分析装置(Lab-XPS)を使って、ペロブスカイト Mn 酸化物 "La1-xSrxMnO(LSMO)" の電子状態解析を行った例をお話しいただきました。

”LSMO”のバルク敏感な電子状態解析は、従来放射光施設での硬X線光電子分光(HAXPES)が一般的で、”LSMO"の導電性と Mn 2pのピーク形状に関係性が見出されていたそうですが、菱田様は、軟X線を有するLab-XPSに真空破断機構を増設することで、これまで不可能とされていたLab-XPSで解析を行い、HAXPESと同等の結果が得られることを明らかにされました。

ご本人の研究成果もさることながら、特注の真空破断機構への質問もあり、会場の皆様の関心の高さが伺える発表でした。

 

 

当社からの発表・お知らせ

分析室より

以下3件の発表を行いました。

  • PHI Quantes 走査型デュアルX線光電子分光分析装置の紹介
  • パラレルイメージングMS/MSの最新応用例
  • MultiPak 新機能の紹介(ESCA,AES)

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営業部より

  • 「アルバック・ファイの紹介」

当社が如何にして革新的な装置と技術を製造・開発し、お客様のご要望に沿ったサービスを提供するためのソリューションを実施しているか、簡単なプレゼンテーションにまとめてお話いたしました。

  • 「高速分光エリプソメーター PHI QuickSEシリーズ」のご紹介

この度、販売を開始しました PHI QuickSEシリーズのご紹介を行いました。
製品の詳細は、下記リンクより詳細をご覧いただけます。

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自由討論

 

本年は全てのユーザー様に共通すると思われる「分析業務・装置管理のマネジメント」をテーマに据え、皆様のご意見や体験談を伺い、情報共有を行う場として開催いたしました。

今回のテーマで自由討論を進行するにあたり、メーカー側からではなく、ユーザー様目線でのご意見を拾い上げる必要があると感じ、三井金属鉱業株式会社 和田 充弘 様にご協力をお願いしたところ、快くご協力いただき、プレゼンターまで引き受けてくださいました。

プレゼンテーション後は、様々なご意見や体験談などが共有され、発言者の意見に耳を傾け深く考え込む様子やメモを取っている方が多く見受けられ、今回のテーマに対する関心の高さが伺えました。

一筋縄ではいかないと感じるテーマではありましたが、自由討論中に共有された体験談やアイデアが、ご参加者の皆様にとって何らかのひらめきに繋がる一案になり得ましたら、スタッフ一同この上ない幸せです。

自由討論を開催にあたり、多大なるご協力を賜りました 三井金属鉱業 和田様、自由討論内でご発言いただきました皆様に改めて御礼申し上げます。

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関西 ユーザーズミーティング

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2月24日(金)10:30~ メルパルク京都

4年ぶりに関西地区で主催イベントを実施いたしました。当日は、午前・午後と2本立てでイベントを企画し、ユーザーズミーティングを午前中に実施しました。

発表をご快諾いただきました、京都府中小企業技術センター 鴨井 督 様、花王株式会社 岡本 昌幸 様、
東京・京都両会場でご発表くださった 京都大学 Heidy Visbal 様に、改めて御礼申し上げます。

> 当日のプログラムはこちら

 

ユーザー様 ご発表

「TOF-SIMSによる活物質/硫化物固体電解質界面の構造解析」

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京都大学大学院 工学研究科 Heidy Visbal 様

京都大学 平尾研究室にて、次世代リチウムイオン電池の研究開発に携わっていらっしゃる Heidy Visbal様からは、現在開発が進んでいる全固体電池への取り組みについてご発表いただきました。

リチウムイオン電池の活用範囲は、パソコンや携帯電話のみならず自動車分野への需要も増大しています。Heidy様のグループでは、固体電解質に硫化物の Li2S-P2S5 を用いて活物質の界面をDLCコーティングすることで、界面の反応を抑えることができると考え、様々な検証を重ねていらっしゃいます。今回の発表では、活物質の界面の状態をTOF-SIMSで分析した結果、DLCコーティングにより酸化変質生成物(PO3,SO3)が抑えられていることが報告されました。

発表の中で、TOF-SIMSは全固体電池における活物質/電解質界面の構造解析に新たな洞察を与えるとの力強いお言葉を頂戴しました。リチウムイオン電池開発の最先端の研究成果ということもあり、質疑も活発に交わされるなど、参加者の皆様においても、関心の高さが伺えるご発表であったと感じました。

今回、東京・京都の2会場でご発表くださいました Heidy様に改めて感謝申し上げます。
(注:レポートは、東京・京都分で共通とさせていただきます)

 

「グラフェン導電層を用いた絶縁物のオージェ電子分光分析」

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京都府中小企業技術センター 鴨井 督 様

公設の試験研究機関に従事され、依頼試験・機器貸付をはじめとした技術支援や企業に役立つ技術情報の発信をメインにご担当されている鴨井様からは、当社AES装置 PHI 700 を用いた絶縁物材料上へのグラフェン転写による帯電補正法というユニークな提案と分析結果のご報告をいただきました。

AESの絶縁物分析は、兼ねてから多くのユーザー様がご苦労されている分析の一つです。この課題に向けた新たな提案は大変参考になりました。

また、今後の課題として話題に上がったグラフェンのドライ転写や、凹みのあるサンプルへのグラフェン転写法についても、引き続きの検証や結果に対する期待が高まるご発表でした。

 

「化学修飾/ESCA, TOF-SIMSによる表面解析」

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花王株式会社 岡本 昌幸 様

花王株式会社の岡本様からは、選択的な官能基の修飾反応を用いたESCA(XPS),TOF-SIMS解析例をご発表いただきました。

化学修飾/ESCA(XPS)の例としては、水酸基とアミノ基両方を持つ化合物に対し、アミノ基だけを選択的に修飾させる方法についてご紹介いただきました。また、化学修飾/TOF-SIMSの例として、イオン化され難く昇華性のある高級アルコールに対してイオン化し良い基剤で修飾することで測定を容易にする方法をお話いただき、ESCA(XPS),TOF-SIMS両手法における大変貴重な分析のノウハウをご教示くださいました。

それぞれの手法で実際の試料の分析例を紹介いただいたのですが、花王様らしい私たちに身近なものを使った内容で、とても興味深く拝聴しました。

 

 

当社からの発表

分析室より

  • MultiPak 新機能の紹介(ESCA,AES)

MultiPak Version 9.6以降の新機能について、機能説明や使いやすくなったポイントなどをまとめて紹介いたしました。

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ユーザーズミーティングを終えて

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アルバック・ファイ 国内営業部 鈴木 隆彦

本年のユーザーズミーティングは、東京だけでなく、4年振りに京都での開催を企画し、両会場合わせて約150名のお客様にお集まりいただきました。

昨年からスタートした「自由討論」は、時間的な都合により京都会場での実施が叶わず、東京会場のみとなりましたが、「分析業務運営」という誰もが抱える問題を皆様と議論し、人事異動に伴う分析技術継承問題なども含めて、多くのユーザー様と問題意識を共有することが出来ました。

また、皆様からいただいたアンケートからは、日本のメーカーとして当社サポートへの強いご期待を感じ取ることが出来ました。

この度、多くのお客様から「(関西で)またやれ!」とお声掛けいただきました。必ずまた関西で開催します!

ご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。



 

関西 技術講演会


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2月24日(金)13:30~ メルパルク京都

ユーザーズミーティング終了後に昼休憩を挟み、技術講演会を開催いたしました。

今回は3名の先生方をお招きし、日頃伺うことのできない貴重な内容をご講演いただきました。

講演をご快諾いただきました、九州大学 山内 美穂 様、富士フイルム株式会社 野田 浩之 様、
旭化成株式会社 河野 禎市郎 様に改めて御礼申し上げます。

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ご講演

「無機ナノ粒子表面の電子状態と触媒特性」

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九州大学 山内 美穂 様

環境・エネルギー問題解決の研究(大気中の CO2 濃度の削減など)を精力的に行っている九州大学の山内様からは、(1)Fe族ナノ合金をアノードとする直接エチレングリコール燃料電池を使ったカーボンフリーな発電(非白金電極触媒)、(2)Ru-Feナノ合金を使った効率的アンモニア合成の開発状況、(3)新規 Pt 担持 MOF触媒上での触媒反応の基礎研究について、XPSとUPSを利用した分析結果をご報告いただきました。

高い選択性を示すナノ合金触媒を用いることで、環境中へ CO2 を排出しない新たなエネルギーサイクル(カーボンニュートラルサイクル)を構築するというお話に会場全体が聞き入りました。

 

「商品開発における解析の在り方と表面分析の役割」

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富士フイルム株式会社 野田 浩之 様

富士フイルム株式会社の野田様からは、富士フイルムの商品開発と基盤技術における組織連携と解析技術の役割についてご紹介頂きました。

まず、商品開発の場面で求められる総合的な解析技術に対し、解析技術センターがどのようなミッションと機能を担い、そのためにどのような姿勢で取り組んでいるかをお話されました。その中で、開発と共に課題に取り組む「協働研究」には、互いに問題の本質を理解し合い、かつ互いを信頼し合うことが重要であり、分析の立場からは解析データの信頼性を示す事が非常に重要であることを実際の成功事例と失敗事例を交えてご説明頂きました。また、表面分析の役割と実例として、GCIBを併用したXPS、TOF-SIMSによる機能性材料の測定例をご紹介頂きました。

なかなか拝聴する機会のない貴重なお話であり、日頃の業務において自身の仕事の在りようを改めて考えさせられる、大変意義深いご講演でした。

 

「TOF-SIMSとモノづくり」

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旭化成株式会社 河野 禎市郎 様

「TOF-SIMSとモノづくり」というテーマで、ご講演を引き受けて下さった旭化成株式会社 河野様からは、モノづくりの現場でどのようにTOF-SIMSを活用しているかをご自身の経験も踏まえて丁寧に解説頂きました。

TOF-SIMSは得られる情報量が豊富であること、また、全てのデータを蓄積できるTOF-SIMSでは、測定後の解析(レトロスぺクティブな解析)が可能であることが、もっと評価されて良いとおっしゃっていたのが印象的でした。

また、最後にはMS/MSが切り開く今後の展望についてもコメント頂き、TOF-SIMSユーザーだけでなく、参加者全員、河野様のご講演に聴き入っていました。

 

当社からの発表・お知らせ

分析室より

以下2件の発表を行いました。

  • PHI Quntes 走査型デュアルX線光電子分光分析装置の紹介
  • パラレルイメージングMS/MSの最新応用例

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営業部より

  • 「高速分光エリプソメーター PHI QuickSEシリーズ」のご紹介

この度、販売を開始しました PHI QuickSEシリーズのご紹介を行いました。
製品の詳細は、下記リンクより詳細をご覧いただけます。

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関連製品リンク

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2017年 ユーザーズミーティング(東京・関西)、関西技術講演会(当社発表分のみ掲載)