ポリマー

ポリマー

ポリマーは構造材料として、あるいはコーテイング被膜として工業的に広く用いられています。ポリマーは大気中で化学的に安定なものが多いため、表面修飾による接着性や濡れ性の改善が広くおこなわれています。表面分析装置は、ポリマー表面の修飾の評価や、表面汚染の検出に利用されています。表面分析装置は機能性ポリマー材料の表面の評価に欠かせないものとなっています。

汚染の同定(XPS, TOF-SIMS)

XPSTOF-SIMSは、どちらもポリマー表面の汚染の同定に用いられています。XPSにより定量的な化学状態の情報が得られ、TOF-SIMSにより分子情報が得られます。これらの情報により汚染物質の化学同定ができます。

Polymers Surface Analysis

図1: ポリマー表面汚染のXPS測定結果

X線励起二次電子像(SXI)により、ポリマー表面の汚染が観察されました。C 1s X線光電子スペクトルから、母材であるポリエステル(PET)と汚染物質であるF系ポリマー(ポリテトラフルオロエチレン)のスペクトルが認められました。

 

クラスターイオンを用いたポリマーフィルムの深さ方向分析(XPS, TOF-SIMS)

これまで長い間、表面分析法によるポリマーの深さ方向の評価は限定された用途しか用いられませんでした。近年、クラスターイオンを用いたスパッタリングが化学ダメージを抑えたエッチングに有効であることが見出され、アルバック・ファイが世界初のクラスターイオン銃搭載表面分析装置を発売しました。現在では、クラスターイオン銃は、ポリマーの表面汚染の除去と深さ方向分析になくてはならない要素技術になっています。

TOF-SIMS Surface Analysis

図2: ポリウレタン表面のワックスの分析例 

C60スパッタデプスプロファイリングによるポリウレタン表面に偏析したワックスの分析例。顕著な化学ダメージなく、有機分子とポリマーをスパッタエッチングできていることが示されています。

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