パラレルイメージングMS/MSオプションとは

2017.02.22 UpdateTOPICS

パラレルイメージングMS/MSオプションとは

パラレルイメージングMS/MSオプションをTOF-SIMSに搭載することで、最表面のタンデム質量分析を高速・高感度で実現し、スタティックな条件下でMS1とMS2の同時高速測定を可能にします。

(*US Patent EP,JP Patent Pending)

MS1とMS2のスペクトルとイメージを同時に取得

MS1データを測定する際に得る二次イオンの一部をプリカーサーセレクターによって抽出・分岐することで、MS1とMSデータをパラレルかつ高速で得ることができます。

MS1では、試料表面に存在するすべての成分が検出されるため、スペクトルは複雑になります。プリカーサーセレクターによって抽出・分岐して得られたMS2データは、シンプルなスペクトルパターンとなり、特定の分子構造のイメージングが可能です。

プリカーサーセレクターが OFF の場合

プリカーサーセレクターが ON の場合

未知の有機材料の測定事例

未知の有機材料を測定した事例を紹介します。
MS1スペクトルでは試料表面に存在する成分が全て検出されるため、スペクトルは複雑になります。一方、プリカーサーセレクターによって抽出・分岐して得られたMS2スペクトルではシンプルなスペクトルパターンとなり、より詳細な化学構造解析が可能となります。

パラレルイメージングMS/MSオプションの測定事例(未知の有機材料)

試料:未知試料(有機材料)
一次イオン:30 keV Bi3+
測定視野:400 μm × 400 μm
測定時間:14分
ドーズ量:3.2×1011 ions/cm2 

ポリプロピレン上の未知の添加物測定事例

こちらはポリプロピレン上の未知添加物を測定した例です。表面にしか存在しない添加剤を高感度で分析でき、また、特定の化学構造の分布を可視化することが可能です。(クリックすると図が拡大します)

パラレルイメージングMS/MSオプションの測定事例(ポリプロピレン上の未知添加物 MS2)msms-2_02.pngパラレルイメージングMS/MSオプションの測定事例(ポリプロピレン上の未知添加物 MS1)

試料:複数の未知の添加剤を含むポリプロピレン
一次イオン:30 keV Bi3+
測定視野:400 μm × 400 μm
測定時間:8分
ドーズ量:7.6×1011 ions/cm2 

注:本文中では、MS1, MS2 はハードウェア(検出器)、MS1, MS2(数字上付き)をTOF-SIMSデータを示すものとして、それぞれ使い分けています。


 

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